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順位
名前
ポイント
1日目
6回戦
7回戦
8回戦
9回戦
10回戦
1
鈴木 たろう
46.0
43.4
-31.0
65.7
6.1
-14.3
-23.9
2
金 太賢
37.8
92.1
-54.4
0.9
-60.0
54.5
4.7
3
田内 翼
32.2
1.6
63.2
-19.5
80.9
-48.5
-45.5
4
角谷 ヨウスケ
-117.0
-138.1
22.2
-47.1
-27.0
8.3
64.7

【2日目観戦記】 | 1日目観戦記 | 3日目・最終日観戦記 |

【6回戦】

一人マイナスを請け負っている角谷。
この日スコアを広げられるようだと流石に連覇へ黄色信号が点灯してしまう。

東1局、そんな角谷の気持ちにツモも応える。

絶好のドラカンチャンを引き--待ちのリーチ。
流石に勝ったと本人も思ったはずだが、たろうがリャンシャンテンから追いつきリーチ。

普段愚形リーチを躊躇なく打ってくるタイプは、相手がそのパターンも想定し踏み込まれるケースが増える。
今回は待ちも打点も優秀だったが、ここはたろうが対人込みの押し返しを見せ2000・4000のツモ。

今日も角谷の日ではないのか・・・と予感したのも束の間、すぐにアガリを積み重ね復活。

南4局、ラス親の角谷は2着目の田内と6400点差。
安い手の連荘はむしろチャンスを多く与えることになるため特殊な状況にならない限り却下。

これはアガリやめのない競技麻雀の共通認識、角谷もここから打で安手を拒否する構え。
ツモ・・・不採用。
ツモ・・・採用。

高め12000なら文句なし、連荘する価値がある。
ここでもたろうの追いかけリーチが来るが最終手番で見事をツモ。

この4000オールで田内すらハネ満ツモ圏外のところまで点差を広げた。
角谷の強さはなんといっても手数の多さ。
この半荘も4回のアガリ+2回のテンパイ料で、10局中6局加点している。
しかもこの半荘は角谷の弱点である放銃回数の多さが鳴りを潜め、放銃0回で終了している。

跳直倍ツモ条件、角谷の今期初トップを疑う者は誰もいない。

南4局1本場、三着目のたろうが1枚目のからポンするとすぐに-テンパイ。

ドラドラかつ高め三色のため田内から直撃出来れば2着まで浮上だが、ラス目の金と点差も近い上に田内がソーズに染めているのが明らかなためここは無理せずどこからでもアガるだろう。

その田内の染め手はどのくらい進んでいるかと目を向けてみる。

なんと10巡目に余らずのメンチンテンパイ。
待ちは-----、打点もダマで直撃すべてOK、ツモでも以外は条件を満たす。
この田内の手になったら脇2人からは見逃し、直撃か条件を満たすツモ以外はアガらないだろう。
役有りドラドラのイーシャンテンになっている角谷も流石に止められない。
唯一の救いは先にテンパイを入れているたろうと待ちが被っていないため、たろうのアガリに期待出来ることだが、枚数という絶対的な存在が紛れを許さない。

まさかの倍満ツモで23400点差を捲られた角谷。
恵まれた状況を自ら作り出したにも関わらず、念願の初トップはまたもお預け。
角谷ヨウスケの憂鬱。

6回戦スコア
田内 +63.2(+64.8)
角谷 +22.2(▲115.9)
たろう ▲31.0(+12.4)
金 ▲54.4(+37.7)

 

【7回戦】
東2局、角谷とたろうの仕掛け合い。

まずは親のたろうがこの形からスタート。
当然の後付け狙いではなくホンイツ狙い、見慣れた光景である。

こちらは角谷の仕掛け。
似たような牌姿から似たような狙いの仕掛けだが、こちらも平常運転。
この仕掛けにドラのが1枚ポツリの田内は早々に撤退気味。
金はイーシャンテンこそ早かったもののあと一牌が引けない。

先にテンパイを入れたのはたろう。

待ちも打点も不満だが、一手変わりトイトイ変化があるので楽しみのある手牌。
角谷も追いつく。

こちらは道中に引いてきたドラ単騎になりほぼ最終形。

ドラは両者オタ風の、二人共染め手、2副露のたろうと2枚あまりの角谷のテンパイしている確率も似たような感じに映る。
この時の両者の思考はおそらくこうだろう。
「またドラ1枚抱えた遠い仕掛けをしやがって」

実際は両者ともドラなしからの仕掛けであった。
しかしそのドラを使いやすい手順を追っているのは間違いない。
そして今回は先にドラを1枚引いていた角谷がそれに手牌を合わせ、すでに受け入れを消さざるを得ないテンパイとなっていたたろうから8000点を取り立てる側に立ったのである。

こんな進行をしているのにも関わらずいつもより大人しいと言われてしまうのがたろうの普段の行いのなせる技。

南3局、そのたろうに勝負手が入る。

シンプルな手順のリーチドラドラ。
これをドラの方でツモるとなんと裏ドラも

たろうらしさは微塵もないもののインパクト大のアガリには違いない。
この8000オールで一気に抜け出しこのままトップ。
らしくないトップの取り方に本人も不満げだがここは天下分け目の決定戦、勝ち方を選んでいる時ではない。

7回戦スコア
たろう +65.7(+78.1)
金 +0.9(+38.6)
田内 ▲19.5(+45.3)
角谷 ▲47.1(▲163.0)

 

【8回戦】

田内が開局からアガリを連発。
8000 → 2000 → 3900 → 1人テンパイから1放銃をはさみつつ、更に3900 → 5200 → 5200 → 5800を1人アガリ倒し、この半荘を6万点越えのトップで終了する。
一見派手な内容での1勝に見えるが、実は親での大きなアガリは少なく子で打点とアガリを重ねている。
そのため有利なポジションで局を消化していくため、他家も徐々に選択肢を狭められていく。

東2局、金からダマテンでの8000をアガった次局。

早くもイーシャンテンでイーペーコーの目もある手牌。
田内はここからでもでもなく切りでイーシャンテン取らず。
次巡を引くとピンズのペンチャンを落としていく。
道中に引いたもノータイムでツモ切り、そしてをツモるとピンフのテンパイ。
これを当然のダマにすると、金のリーチに通っているスジを捕まえしっかりと躱す。

2巡目にイーシャンテンに取る打牌を選択していると逃しているテンパイである。
すでにリードを持っている田内としては局を潰していくことが大事。
上記の牌姿は先にが埋まらないと、役はあるが待ちが苦しいテンパイになってしまう。
柔軟にシュンツ系を残すことで中盤に役有りかつ待ちも優秀なテンパイが組める。

角谷・たろう・金と一際クセの強いメンツ相手では相対的に大人しい印象を受けてしまう田内の麻雀ではあるが、
こういった「リードを保つ手組み」に関しては定評がある。
点棒を持ったときの田内ほど厄介な相手はいない。

しかしこの半荘以降、田内にとって苦渋の時間が待ち受けていることになる。

8回戦スコア
田内 +80.9(+126.2)
たろう +6.1(+84.2)
角谷 ▲27.0(▲190.0)
金 ▲60.0(▲21.4)

 

【9回戦】

初日に稼いだ貯金をこの3回で早くも使い果たしてしまった金だが、この半荘では序盤から点棒を積み上げていく。
東4局1本場、角谷の6000オールで一時捲られるも、次局たろうから8000は8600を出アガりすぐにトップ目に。

たろうはこの放銃でラス目に。
この親番をすぐに流されるようだと、いよいよ今回の決定戦初ラスが濃厚になる。

南1局1本場、そのたろうに配牌でドラのがトイツ。
角谷が7回戦のデジャブのような仕掛けを入ると、たろうも角谷のからスタート。
続くもカンチャンでチー。

を持っていない他家からは、ドラの所在はほぼここに絞られそう。
角谷の上家の田内は3着目であり、ラス目のたろうの不穏な仕掛けは早急に流したい。
そのアシスト気味のが切られると角谷がチー。

1.をリャンメンでチーし、チンイツとドラ引きに対応。
2.をカンチャンでチーし、ドラ単騎への受け入れ重視。
この選択があるが、どちらも打牌はになる。
そう、常人であれば。

たろうとしてはこのケースも想定の範囲内ではあろうが、まさか相手がイーシャンテンとは思うまい。
ドラを切った方も鳴いた方もイーシャンテンという異常な場が仕上がった。
その後無事両者ともテンパイを入れると、たろうが角谷から出アガリ。
2着目の角谷からなので一気に2着順アップ。

このたろうのアガリで楽になったのは金。
そのままリードを生かしトップ、トータルポイントもプラスへ戻した。
逆に苦しくなったのは田内はこの横移動でラス目になったまま終了。
なんともしっくりこないラスを引かされた。

9回戦スコア
金 +80.9(+33.1)
角谷 ▲27.0(▲181.7)
たろう ▲14.3(+69.9)
田内 ▲48.5(+77.7)

 

【10回戦】

紆余曲折ありながらも、ここまで来て尚一人マイナスを背負っている角谷。
300ポイント差の1人を捲くるよりも200ポイントの3人を捲くる方が当然難しい。
状況は芳しくない。

東3局1本場、たろうの手順が面白い。

カンをツモりイーシャンテン。
もション牌、供託が1本落ちている親番中ときたら打がマジョリティ。
たろうはここから切りを選択。

そしてこのを2枚並べることで他家に敢えて自分の速度・打点・好形をアピール。
この切りは残したで三色を、の連続系で好形とドラの受け入れフォローに構えられる非常に柔軟な一手。
『僕の切る牌・選択が正解だと思って観てください』
たろうの残した迷名言の一つである。
しかしこの競技麻雀の教材に相応しい手順を見せられては黙って魅入らざるを得ない。

そしてこののトイツ落としを見て、あの角谷が手順を曲げさせられる。

手筋としてはをツモ切り3メンチャンを固定がセオリーだが、たろうのリーチにソーズ、特に自分で4枚持ちの-を切り遅れるのを嫌がってか打でソーズを先に固定。結果的にはこのにチーが入り、その鳴きによりドラのを暗刻にしテンパイ。

ともあれ8000のテンパイを入れた角谷、今度はこちらの手順に注目。

なんと僥倖のドラ4。
流石にカンと思われたが、角谷はなんとこのをツモ切り。
相手にドラ4を見せない方向へ。

田内はよもやのドラをチー出来たことでホンイツのテンパイ。

田内は字牌から切り出し→カンチーの手出し共にツモ切りのためホンイツに決めつけるのが難しい。
また、カンをすることで元々一番警戒すべき相手であるたろうにプラス材料として働く可能性もある。
自分のアガリ率がそこまで高くないため、ドラを増やすことよりもドラを1枚切ることの方が場に与える影響が少ないと判断したのであろう。

そんな角谷のギャップ萌えな選択は、結果的に田内に大きく味方した。

しかし両者ともアガリまでは結びつかず、親のたろうも結局終盤にテンパイを入れるのがやっと。
開かれた角谷の手をじっと見る3者の絵が、とても印象的であった。

東4局、角谷の親番でついに大きなアガリが発生する。

これに捕まったのは、先程角谷の動きがプラスに転じた田内。
余りにも割に合わないお返しになってしまった。

今までの角谷はここまでは来ることもあったが、二の矢が継げずにいた。
ここでも2着目の金がたろうから12000をアガるとすぐにトップ入れ替わり。
負けじと金の親番で2000・4000のツモアガりに成功するも、ラス前に金への2600放銃で再び金がトップ目に。

今までの9半荘がフラッシュバックする。
ここまで角谷はトップがない。
そして10半荘中、7回ラス親である。
そのことから、この決定戦でオーラスにいい思いを全くしていないという結論に至る。
事実オーラスでの着順アップは0、倍ツモ条件を満たされたのは記憶に新しい。

しかし麻雀という競技には、確率の収束が付き物である。
無事に[オーラスに人並みの手を入れる]確率を収束させる2連続のアガリでトップを決める。
金も逆転の手を作ろうとするも、たろうの10半荘ラスなしを決める放銃に終わり、ついに角谷が望みを繋ぐトップで本日を締め括った。

10回戦スコア
角谷 +64.7(▲117.0)
金 +4.7(+37.8)
たろう ▲23.9(+46.0)
田内 ▲45.5(+32.2)

まだまだ一人マイナスの域を抜け出ない角谷だが、頭一つ抜け出す選手がいないのは唯一のプラス材料。
「この程度の差ならなんとかしそう」
そう思わせる不思議な魅力が角谷にはある。

田内は前半と打って変わって後半は手が入らず苦しい展開が続く。
展開ラスという言葉がピッタリの状況が続き、心情穏やかではないだろう。
とはいえポイント差としては無いに等しい。
小倉孝以来の「初挑戦での戴冠」+「20代雀王」へ視界は明るい。

2日目だけのトータルを見るとマイナススコアなのは実は金のみだが、道中トータルマイナスまで沈んだことを考えればこの終わり方は上々であろう。しかし今までで一番強い自分を周りに証明するためには、この成績で満足は出来ない。
唯一足りない称号を得るために、まだまだ足を止める訳には行かない。

前述の通りここまでの10半荘ラスなしのたろう。
「普段のリーグ戦と違って、そこまで無理にトップを取りに行く必要がなく、相手とのポイント差だけを気にして打てる」と語っていた通りの立ち振舞になっている。
我々の知る鈴木たろうの麻雀とは一見違うように見えるが、この慎重さ・繊細さこそがたろうの強さを支える幹である。

残り10半荘、頂点を決める戦いはまだ折り返し地点。

(文・橘 哲也)

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